大阪・都島区の市立友渕小学校(大阪市都島区友渕町1)で7月29日、「淀川管内河川レンジャー」によるライフジャケット講習会が開かれた。
「めちゃ浮く」「泳げた」――ライフジャケットを着てプールではしゃぐ子どもたちの声が響く。同小では毎年夏に着衣泳体験など水難対策の安全講習を開いているが、「保護者にも一緒に体験してほしい」(石崎厚史校長)と、昨年からライフジャケットの重要性を知ってもらう講習会を保護者同伴で開いている。
講師を務めるのは地元に住む川嶋秀一さん(59)。川嶋さんはIT関係の仕事の傍ら河川レンジャーの活動を行っている。「淀川管内河川レンジャー活動」とは、任命された河川レンジャーが住民に水難事故防止の啓発を行う国交省管轄のプロジェクト。淀川沿いで生まれ育った川嶋さんは小学校5年生のころ、友達が川の事故で亡くなったことが今でも忘れられないという。4年前、河川レンジャーの活動を知り「淀川で遊び育って無事に過ごしてこられたことへの恩返し」としてメンバーに加わった。
講習は45分間。後半は「川で溺れている人を助ける方法」について。「溺れている人を見つけても絶対に川に入って助けてはいけない」と川嶋さんは強調する。「失う命が増える可能性が高まるため。川の近くでは救助用のロープを装備しておくことが大切」と説明。子どもたちは溺れている人役の教員を助けるためにプールサイドから救助ロープを投げる練習を行った。参加した保護者の梅原啓志さん(44)は「人の助け方は初めて教わったので心構えができた」、吉田豊さん(42)は「子どもたちは大人になっても覚えていて、いざという時に役立つと思う」と話した。
川嶋さんは「この活動が地域に根差すように続けていきたい」と意気込む。河川レンジャーに関する詳細は、淀川管内河川レンジャーホームページで。