JR京橋駅南口で8月14日、第62回京橋駅空襲被害者慰霊祭が行われ、約250人の参列者が犠牲となった人たちに祈りをささげた。
同慰霊祭は今年で62回目。午前11時、JR京橋駅・渡辺弘幸駅長の「京橋駅駅員として、この悲惨な空襲を忘れず若い世代に伝えていきたい」というあいさつから始まった。
1945年(昭和20年)8月14日12時30分頃、太平洋戦争終戦前日に起こった京橋空襲。JR京橋駅の現東西線のホームに環状線天王寺行きと大阪行きの電車が同時に進入したその瞬間、1トン爆弾がホームを直撃。身元が判明している人だけで210人以上、ほかに500人~600人以上の身元不明の犠牲者が出たとされている。
当時小学生で、この空襲で父親を亡くした近藤愛子さん(79)は「死体が並べられている光景は、70年経った今も忘れることができない。もう2度と戦争が起きないことを願っている」と涙ながらに話した。毎年参列し花を供えているという城東区在住の内海さんは「義理の母がこの空襲で亡くなった。戦争を知らない若い世代にも知っておいてほしいと思い、今年は娘家族らと共に参列した」と話した。
特設の祭壇には、地元・聖賢小学校の児童たちによる千羽鶴も供えられた。児童を代表して吉田桜さん、小林亜妃さん、西中倖乃さんは「学校で当時の話を聞いて、戦争の恐ろしさを知った。家族や友達にも伝えていきたい」と作文を読み上げた。