大阪市・蒲生四丁目の炭火焼き鳥専門店「たづや」(大阪市城東区蒲生4、TEL 06-6955-9596)がオープンから1カ月たち、にぎわいを見せている。
「焼き鳥は国民食であり日本の文化」と言い切る店主の田邉知彦さん(32)は、兵庫県西宮市出身。16歳の時、地元の焼き鳥店でアルバイトとして働いて以来、16年間にわたり焼き鳥一筋の人生を送ってきた。店を持つことを本気で考えたのは27歳の時。貯金も無く開業資金を援助してもらおうと両親に話を持ち掛けたところ、「そんな甘い考えでは駄目だ」と一蹴された。以来、「あらゆる生活を切り詰め、ただひらすらお金をためた」。それから5年間で蓄えた500万円を元手に開業に踏み切った。
「幅広い客層に落ち着いた料理を提供したい」との思いから、京阪沿線の主要駅で物件を探していた田邉さん。樟葉、牧野、枚方、香里園、寝屋川と南下し関目周辺で探し回る中、隣接する蒲生四丁目で同物件を見つけ、「ここしかない」と決めた。自己資金と金融機関からの融資に加え、今回は両親も金を貸してくれた。店名「たづや」は母・田鶴子さん(60)の名前から取った。
満を持して開業した同店。店舗面積は20坪で、席数はテーブル7卓60席、カウンター12席。田邉さんがこれまで焼き鳥店で培ったノウハウを凝縮している。串焼きは1串90円から。ニンニクを効かせたオリジナルのたれは客の好みで加える。主力商品「もも炙(あぶ)り焼き」(800円)はかむほどに味が出るという種鶏(親鳥)を使う。そのほか「おつぼね(尾の一部)」(100円)、「ごちゃ(心臓のつけ根)」(150円)などこだわりのメニューが並ぶ。
オープンして1カ月、従業員を雇い資金繰りをしていく中では想定していなかったことも度々起きるが、「自分の責任において自分が決めることにやりがいを感じている」と田邉さん。「来店した人が元気になり、地域を盛り上げる店にしたい」と意気込む。
営業時間は17時~24時。月曜定休。