大阪ビジネスパークのホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区城見1)で8月2日・3日、BMWの電気自動車「BMWi3」の試乗会が行われた。
同社が「持続可能なものづくり」をコンセプトに2011年2月に立ち上げたサブブランド「BMWi」の最初の量産モデルとして、今年4月より日本で販売している。車に使う素材も95%が再利用可能。モデルによって、内装にユーカリ材などの再生可能な原材料を利用。生産時には水力発電や風力発電などのクリーンエネルギーを使っている。
試乗会には5台のi3が登場。市街地での走行に力を発揮するという同車。大阪ビジネスパークを抜け、大阪城を1周する約20分のコースを記者も試乗。電気自動車特有の強いトルクと加速力で、スタートや停止が歯切れよく直線や坂道などでは力強い走りが感じられる。アクセルを離すと、ブレーキを掛けたような制動力が車に伝わる。ガソリン自動車のようなクリープ現象がなく、停止位置までの距離があればブレーキを踏まなくてもアクセルを離すだけで停止できるほど。「足を踏み換える回数が減ることで、安全につなげるのが狙い」という。「路面の状況を感じ取りながら運転できることも意識した造りにしている。走る楽しみを感じてもらえたら」とBMW担当者。
会場では日本初の女性国際ドライバー・井原慶子さん(41)のレクチャーも行われた。実際にi3で名古屋から徳島までドライブしたという井原さん。「航続時間が長く、充電無しでドライブができた。大阪などの都市部には充電施設が整っており、心配なく走ることができた」と振り返る。i3は社内にカーボンファイバー(炭素繊維)を使い、軽量化と高い強度を両立している。「10年前のレースで使っていたレーシングカーがカーボンでできていた。当時は飛行機など高価なものにしか使われていなかったが、量産車にも使われていると聞いて驚いている」と井原さん。
価格は499万円。ガソリンエンジンで動く充電器が付いたレンジ・エクステンダーモデルは546万円。