京橋東商店街の路上で5月25日、プロレスの試合が行われた。主催は、大阪のプロレス団体「ジャパンプロレス2000」。
試合が行われた商店街中央の「元気モン広場」は、広場といっても飲食店などが立ち並ぶ4メートル通りが交差しているだけの狭いスペース。これまでジャズコンサートや絵画展など街の憩いの場として活用されてきたがこの日は雰囲気が違った。昼過ぎに突如現れたプロレスリングに通り掛かった50代の男性は「工事をやってると思ったら、プロレスのリングみたいだけど」と驚きを隠せない様子だった。
大阪府羽曳野市を拠点としている同団体は、プロレスで地域を元気にすることを目的に地域密着型のボランティア・チャリティープロレスとして活動。メンバーの一人で京橋に住む岩田芳明選手(32)の「地元で試合をして京橋を盛り上げたい」という強い思いから今回の試合が実現した。
午後4時、ゴングと同時に激しい試合が始まると、日曜午後の商店街が見る見るうちに人であふれかえった。「おりゃあー!」「ぶっ殺したる!」という掛け声が響くリングの脇を、買い物中の主婦やジョギングのランナーが通り抜け、部活帰りの女子高校生たちは「生まれて初めて生でプロレスを見た」と興奮しながら観戦。場外乱闘で髪の毛をつかみ絶叫しながら商店街をひた走る姿に、居合わせた人たちは驚愕(きょうがく)の様子。レフェリーは大声で「店には絶対に入らないように」といさめていた。
京橋に住む岩田選手は5試合目のメーンイベントに登場したが、ヒデ久保田選手に体固めで負けた。悔しさをにじませながらも「こんなに多くの人が見てくれてうれしい。また京橋で試合をしたい」と抱負を語った。
京橋東商店街協同組合の弓削要会長は「こんな本格的な試合が組まれるとは思わなかったので驚いたが、商店街に人がたくさん集まるのは良いこと」と笑顔を見せた。