サクラクレパス本社ビル内の「サクラアートミュージアム」(大阪市中央区森之宮1、TEL 06-6910-8826)で、「企画展・顔料~絵画のための顔料を知る~」で開催されている。
サクラクレパスの創立70周年を記念して、新社屋を併設した1991年11月に同館もオープンした。毎年テーマを決め定期的に企画展を開催し、約700点ある所蔵作品を一部公開している。また、テーマに合わせて描写材料についての展示や講習会を開き、美術を通して画材の理解や普及などの活動を行っている。
今年は「鑑賞を科学する」を年間テーマに、油絵の道具と技法の基礎を学ぶ。今回は「顔料」をピックアップし種類や材料、天然顔料と合成顔料の分類などについて解説する。また、天然無機顔料の原料となる鉱物の展示や、同じ白色であっても隠ぺい力の違いがあることを、試験紙を使用して説明。中にはミレーやゴッホ、ルノワールなど世界の画家が使用した色を紹介するといった興味深い展示も用意する。
同館では、日本を代表する風景画家中村善作(1901-1983)の「春光」、日本の名山を描いた作品で知られる田崎広助(1898-1984)の「阿蘇山」「朝やけの朱富士」など、4人の画家が描いた5作品(すべて同館所蔵)を展示する。
同館の前田真由美さんは「サクラクレパスが持っている美術館として、画材メーカーだからこそできる企画展を考えている。展覧会を通して画材の使い方を知ってもらいたい」と話す。開館時間は10時~17時。日曜・月曜休館。入場無料。同展は2月9日まで。
1月31日と2月2日は同ビル4階で講座を開講。「ホワイト絵具の違いを知る」をテーマに、同じホワイトでも微妙な違いがあることを学ぶなど、実践を踏まえた講義も行う。開講時間は13時~16時。受講料は1講座2,500円(材料費込み)。申し込みは18日まで。