大阪ドーンセンター(大阪市中央区大手前1)で4月19日、劇団「現代古典主義」による「帝国の湖」最終公演が行われた。
「同時進行劇」という舞台を複数場面に分割し物語を展開させるオリジナルスタイルを特徴に活動する同劇団。年齢・性別もさまざまな会社員ら20人ほどが在籍し、仕事の終わった後などの時間帯を活用し日々練習を重ねている。
今回は、バレエ作品として有名な「白鳥の湖」を原案にストーリーを肉付けし、せりふを付けた群像劇を4月17日より3日間、上演した。登場人物は帝国崩壊の兆しに乱れる宮廷内に生まれたジークフリード皇子と、策略に翻弄(ほんろう)され孤独な人生を送ることとなった貴族の娘オデット。2人は湖で愛を誓うが闘争に巻き込まれる。舞台は、私欲の渦巻く「宮廷」と、美しさを失い泥沼と化した「湖」の2場面を主軸に表現。見どころとなったフェンシングの殺陣のシーンは、舞台を大きく使い迫力を出し、映像を取り入れた演出にも挑戦した。
劇団代表で脚本・演出・ヒロイン役を務めた夏目桐利さんは3日間の公演を終え、「たくさんの観客の方に来てもらうことができありがたい気持ちでいっぱい。広い舞台で演技も気持ちよくできた」と達成感を語った。
これまで関西を拠点に活動してきた同劇団。今回の公演を区切りに東京へ拠点を移す。夏目さんは観客への報告で、「東京で一度やって見たい気持ちがあった。劇団を有名にして大阪で凱旋(がいせん)公演したい」と今後の抱負を語った。