週刊大阪日日新聞社(大阪市中央区博労町2、TEL 06-6120-1970)が発行する「週刊大阪日日新聞」が11月24日発刊号で100号を達成した。
同紙は、2005年11月12日の創刊以来、大阪市北東部にあたる6区(都島区、城東区、中央区、北区、鶴見区、旭区)の家庭、会社、店舗などに週刊で無料配布してきた。発行部数は約22万部(日本ABC協会認証)。「地域に密着した情報発信を行うことで、大阪を元気にする」(佛崎一成編集長)のがモットーだという。
無料配布ということで街にあふれるフリーペーパーかと思いきや、「府立高・学区再編2年目の影響」「船場吉兆問題を斬る!」「暴力団はどこへ行ったのか」などハードなテーマを扱う週刊誌並みの構成。「テレビに踊らされた亀田一家の凋落」(10月22日号)では、亀田父子の発言が問題視される中、いち早くマスコミの報道のあり方の問題点を指摘している。「無料新聞だからこそ扱える記事や切り口にこだわっている」(同)とも。
収入はすべて広告費でまかない、取材記者が営業担当も務めるため記事と広告が同じジャンルのものになることもある。11月3日号では、多重債務者問題に関する特集のページに「消費者金融問題 無料相談セミナー」の告知広告を記事とは別に掲載。「お金を出してもらうからこそ記事のバランス感覚や切り口が重要になる」と、営業統括・企画開発担当の上部武宏さん。
創刊100号を迎え、佛崎編集長は「2年前に始めたころ、小さな机を3人で囲んで細々とやっていたのがつい最近のよう。これからも地域に根付く新聞を作っていきたい」と、思いもひとしおの様子。現在は20人の記者兼営業マンたちが取材に、広告取りに飛び回る毎日。姉妹紙である日刊の大阪日日新聞とも連携を組み情報のやりとりを常に行っている。
「インターネットやテレビに負けない大衆文化を活字の世界に蘇らせたい。週刊大阪日日新聞こそ、それが実現できるメディアだと思っている」(吉岡利固社主、公式サイトあいさつ文より)。若者の活字離れが問題視される中、大阪市内全域への配布地域拡大も含め、新たな新聞のあり方として今後の展開が注目される。