歴史博物館で「水都大阪と淀川」展-387年前の京橋「擬宝珠」も展示

「京橋」の欄干に取り付けられていた装飾物「擬宝珠(ぎぼし)」

「京橋」の欄干に取り付けられていた装飾物「擬宝珠(ぎぼし)」

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 大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4、TEL 06-6946-5728)で現在、特別展「水都大阪と淀川」が開催されており、387年前に京橋の欄干に取り付けられていた装飾物が展示されている。

中央に描かれた「擬宝珠(ぎぼし)」を展示で見ることができる

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 JR京橋駅の南側を流れる寝屋川。そこから1キロメートルほど西へ向かったところに架かる橋「京橋」。この京橋の欄干に取り付けられていた装飾物は「擬宝珠(ぎぼし)」といい、江戸時代、幕府が管理していた大坂の12の橋に付けられていたもの。すぐ隣に展示されている「摂津名所図会」にもネギ坊主の形をした京橋擬宝珠が描かれている。幕末にはほとんどの橋は擬宝珠を失いはずされていたが、京橋だけは明治初期まで擬宝珠をつけた橋として知られていたという。「江戸時代に大坂から京街道へ向かう起点であり、京都から来る人を迎える大阪の玄関口として格式高い橋だったのでは」と大阪歴史博物館学芸員の八木滋さん。

 展示されている擬宝珠には「元和九癸亥暦四月吉日」「慶安二己丑五月日」「延宝四丙辰正月日」などの文字が刻まれている。1623年に架けられた後、1649年、1676年に再度架け替えられたものと推定される。26年ごとに橋を架け替えても擬宝珠だけは残していたことに幕府の、この橋に対する思いが感じられる。

 京橋について、「大和川(1704年に堺の大和川が本流となった)と淀川筋の大川が交わるこの地点は川の起点でもあり、京街道への起点と合わせて大阪の重要な流通拠点だった」と八木さん。「摂津名所図会」にも京橋のふもとで魚市場が開かれる様子が描かれている。さらに奥に展示されている1868年に書かれた「四ツ手持網古組新組名前帳」には、蒲生、今福、新喜多など京橋近辺で漁船を所有していた人たちの名前が数多く書き込まれ、この近辺一体にたくさんの魚師たちが生活していたことがわかる。

 開館時間は9時30分~17時(金曜は20時まで)。火曜休館。観覧料は、大人=600円、高大生=400円。11月15日まで。

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