天満橋の「川の駅はちけんや」(大阪市中央区北浜東)内にある飲食店「クロッシングガーデン」(TEL 06-6949-5775)で7月20日、「ココナツでセカイを変える大作戦!ココフェス」が開かれた。主催はココナツ製品販売会社「ココウェル」(都島区網島町1)。
同社が設立10周年を迎えたことを記念し、ココナツをより身近に感じてもらいたいと、ココナツオイルで作るリップクリーム作り体験や、ココナツを丸ごと食べる方法を学んだり試食をしたりする講座、ココナツアクセサリー作りやココナツの木で作られた食器の販売などを行い、30代の男女を中心に600人が参加しにぎわいを見せた。昨年フィリピンに大きな被害をもたらした台風30号で倒れるなどしたココナツの木から作った商品のお披露目初販売も行った。
社長の水井裕さん(37)は2004年からフィリピン農村部での雇用創出のためにココナツを使った化粧品や食品、雑貨を製造・販売などを行ってきた。そんな中、2013年11月にフィリピンレイテ島を超大型の台風30号「ヨランダ」が襲い、すぐに現地に向かった。被災者1600万人、死者、行方不明者8000人という甚大な被害でココナツも3400万本が被害を受け、ココナツ農家の生計が危ぶまれた。
そんな様子を目の当たりにし、倒れたココナツの木で何かできないかと考え、倒れた木でも丈夫な部分を使って雑貨を作る「ココウッドプロジェクト」を始めた。小さな子どもがいる若い世代を中心に声を掛け、「初めは一つ作るのに3時間もかかっていた。今では1時間程度で作れるまでになった」と水井さん。
今回のイベントでは、このプロジェクトに参加する現地の農家が初めて製作したスプーンやフォークなどを国内で初めて販売し、人気を集めた。価格はスプーン1本600円。1本売れるごとに120円が製作者の報酬となる。
水井さんは「ココナツの農家の支援になればと、現地フィリピンのレストランでの使用も始まっている。日本だけでなくフィリピン国内でも支援の輪が広がっていると実感している」という。
日本での正式販売は、台風から1年となる11月までに始める予定だ。