大阪市都島区出身の女優・川嶋杏奈さん(22)が6月15日、京橋の商店街で出演映画「太秦ライムライト」のPR活動を行った。
川嶋さんは大阪市都島区出身。所属劇団がある京都で一人暮らしを始めるまでの20年間、都島区で過ごした。「地元なので、京橋や都島には知り合いが働く店がたくさんある(笑)」(川嶋さん)。この日は、そうした知り合いの店先に映画のポスターを貼ってもらおうと各店舗を訪ねて回った。
同作品は、京都・太秦撮影所の「斬られ役」にスポットを当てたもの。京都をベースに活動する「劇団とっても便利」代表の大野裕之さんが脚本・プロデュースを手掛けた。5万回斬られたという日本一の斬られ役・福本清三さんが初主演を務める。55年間にわたり脚光を浴びることなくひたすら「斬られ役」を演じ続けた福本さんを、松方弘樹さん・小林稔侍さん・萬田久子さんら豪華キャストが脇を固めていることでも話題を呼んでいる。川嶋さんは主人公が頻繁に立ち寄る小料理店の娘役。ちょい役で出演する京都市・門川大作市長との絡みも。
川嶋さんにとって福本さんは殺陣の師匠でもある。「人を輝かせることに人生を懸けてきた福本先生の役者魂を感じた」(川嶋さん)。映画は全国に先立ち今月14日から関西で先行公開。川嶋さんは初日の京都で満員の観客と共に鑑賞した。構想7年、紆余(うよ)曲折を乗り越えて完成した映画の上映に川嶋さんは「プロデューサーはじめ、多くの関係者の思いが交錯して何とも言えない感情が込み上げてきた」という。
「川嶋さんが人の感情に敏感なのは、生まれ育った京橋の土地柄では」と分析するのは、京橋のラーメン店「ササラ」のオーナー・新山郁雄さん(61)。川嶋さんの父親と知り合いで「地元出身の女優さんとしてこれからも応援していく」とも。ササラで「金胡麻坦々麺」を平らげた川嶋さんは「京橋は人情味厚く、いつでも自分を温かく迎えてくれる街」とたくさんのポスターを抱え、笑顔で次の店へ向かった。
同作は7月12日より全国ロードショー公開。