都島のココナツ製品販売会社「ココウェル」(大阪市都島区網島町1、TEL 06-6355-5572)は1月21日、昨年11月にフィリピンを襲った超大型の台風30号「ハイエン」の被災地で行った支援活動の報告会を開いた。
社長の水井裕さん(37)は大学時代に留学したフィリピンで、ゴミ山から鉄くずを集めるなどして暮らす子どもらの姿に衝撃を受けた。帰国後、「この国の貧困問題の解決につながれば」と農村部での雇用創出に取り組み、2004年に創業。同国のココナツオイル生産量が世界の約46%を占めることに着目し、ココナツを使った化粧品や食品、雑貨を製造・販売。一商品につき3ペソ(約8円)を支援金として現地へ送っている。ココナツを使った商品を生産する機械も農村部へ提供している。
昨年11月8日にフィリピンを襲った同台風は、中部のレイテ島・サマール島などの多くの島々で甚大な被害を出し、1400万人以上の人が被災した。2週間後、水井さんは現地入りして食料を届けるとともに、ネットなどを通じて支援金を募った。同社からも直接100万円の資金を援助し、一商品3ペソだった支援金を期間限定で30ペソ(約70円)に拡大。総額で約400万円を集めた。
今月に入ってからも水井さんはフィリピンに赴き、支援が行き届かない山村集落などを中心に活動。現地では、食料不足を訴える貼り紙が小学校など街中に見られるほか、多くの人が半壊した住宅で暮らし続け、1500万本以上のココナツの木が被害を受け仕事を失った被災者も多いという。報告会ではこうした2回にわたる現地支援活動の様子を報告した。
「被害を受けたココナツの木でも、根など頑丈で質の良い部分はまだ商品に加工できる。朽ちてしまう前に伐採し、被災者と一緒に製品を作りたい」と水井さん。「ココナツは、実が収穫できるまで、7~10年かかるといわれている。今後は現地の人と植林なども行い、継続して支援していきたい」とも。
支援金はホームページで受け付けている。