大阪・天満の象印マホービン本社屋内にある「まほうびん記念館」(大阪市北区天満1、TEL 06-635-2340)は現在、特別展「日本のまほうびん生誕100年」を開催している。
同館は2008年6月、同社創業90周年を記念して魔法瓶の歴史などを展示する施設として設立。今年は日本初の魔法瓶製造開始から100年の年にあたり、同展では、常設展示にはない商品やエピソードなどを、魔法瓶製造業に携わる13社の協力を得て紹介している。
日本で初めて魔法瓶が作られた場所は大阪。当時魔法瓶の中瓶はガラスでできており、ガラス職人が多数いた大阪には次々と魔法瓶製造業者が現れた。100年の間に各社が品質、機能、デザインなどを改良し、最盛期では年間3200万本、約540億円の出荷を実現。大阪の地場産業から世界規模の産業に成長してきた。
魔法瓶の歴史や最新の応用技術などを展示している常設展示に加え、特別展では、一番売り上げを伸ばした「花柄のまほうびん」、マラソンの野口みずき選手がアテネオリンピックで使用した給水ポットなど、珍しい商品約50点が並ぶ。
同館館長の山口己年男さんは「魔法瓶の構造を知らない人が多い。こういう仕組みになっているんだと再認識してもらって、エネルギーを使わない環境に優しい商品として魔法瓶の良さを知るきっかけになれば」と話す
開館時間は、10時~12時、13時~16時。入館無料。特別展は来年1月31日まで。