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天満橋などでドローイングチャリティー企画-美大生らがその場で描く

制作の様子(作家の濱田美由紀さんと娘の眞采ちゃん)

制作の様子(作家の濱田美由紀さんと娘の眞采ちゃん)

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 「川の駅」はちけんや(大阪市中央区北浜東1)、OAPのアートコートギャラリー(北区天満橋1)の2会場で4月23日・24日、東日本大震災被災者のためのチャリティープロジェクト「Artists’ Action for JAPAN~1枚の絵から始めよう~」が開催された。

アートコートギャラリーの前にも「愛」の作品展示(作・佐川好弘さん)

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 同プロジェクトは、被災者に対して「芸術で何かできることはないか」と美大卒業生・在校生らを中心に東京から始まったチャリティーイベント。アーティストがその場で制作した作品を1点1,000円で販売し、売り上げを義援金として被災地へ送る。

 関西では今月16日・17日の神戸に始まり、大阪・京都へと続く。発起人である関西実行委員の渡邉暢子さん(32)は、3月11日に東京に出張し地震を経験。その後、大阪に帰ってからも「自分はこれでいいのか、何かできることがないのか」ともんもんとした日々を過ごしていた時、東京の知り合いを通じて同プロジェクトの存在を知ったのがきっかけ。関西の作家やギャラリーに声を掛け始め、協力者を募り、画材提供者・会場探しなどを行いながら、神戸・大阪・京都の三都での開催に至ったという。

 「ただ募金するだけではなく、手元に残った作品を見る度に被災者のことを考える。被災者とつながる時間ができて忘れないでいられるところがこのプロジェクトのいいところ」と渡邉さん。

 両会場のイベントには、大阪芸術大学・京都市立芸術大学・京都造形芸術大学・神戸芸術工科大学・大阪芸術大学などの美大生やアーティストら約40人が参加。

 神戸での開催に続き2回目の参加となる神戸芸術大学生の木村秋美さん(19)と下田麻亜也さん(19)は「前回がすごく楽しかったので、自分を試すにはいい機会」と来場者の似顔絵を描く。普段はセメントを使った作品を制作している濱田美由紀さん(35)は、作家として協力できる場があると知り、娘の眞采(まあや)ちゃん(3)と「紙に描くのは久しぶり」と参加。「命のつながり」をテーマに制作する。眞采ちゃんも最年少のアーティストとして制作に励んだ。

 奈良から訪れた作家・武智剛さん(40)は「震災があって自分に何かできることはないかとモヤモヤしていた。自分の得意分野で何か貢献できないか」と思い参加したという。「今まで発表する場がネットしかなかったが、目の前にお客さんがいるのはモチベーションが違う。半分一緒に作っているような感じ。自分の絵が喜ばれるのがうれしいし、うまいことできているなあと思う」とも。

 作品を購入した竹内哲也さん(50)は「いろいろなところで募金を行っているが、こういう機会だと自然な形で参加できるのがいい」と話す。

 次回開催は4月29日・30日。京都・円山公園内の「eN arts」で予定する。

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