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大阪・都島でビブリオバトル 近大院生が企画

主催の矢裂淳さん(右端)と参加者

主催の矢裂淳さん(右端)と参加者

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 大阪の都島友の会研修センター(大阪市都島区都島本通3)で2月13日、書評会「ビブリオバトル」が開かれた。主催は、同区の街づくりに取り組む近畿大学大学院生の矢裂淳さん(26)。

発表する優勝者の竹越さん

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 同イベントは今回が4回目。ビブリオバトルとは、2007年に京都大学情報学研究科共生システム論研究室内で考案された書評スタイル。参加者は順に1人5分間で本を紹介し、最後に「どの本が読みたくなったか」を全員で投票して優勝者を決める。小学生から大人まで誰でも参加できるイベントとしても親しまれ、全国各地で行われている。矢裂さんは、コミュニティーづくりの活動の一環として企画しているが、「ネットを検索して調べる時代において、著者の知識が集約された本から情報を得ることも大切」と読書啓発への思いも込めている。

 当日は、矢裂さん含む20歳代の男女6人が思い思いの本を持ち寄って参加。矢裂さんが紹介したのは、直木賞作家の朝井リョウさんのエッセー「時をかけるゆとり世代」。映画化された作品「桐島、部活やめるってよ」で存在を知り、作者と同じ年齢で親近感が湧き読み始めた。「日常の何気ない話が同世代として共感できる内容で、読んで元気になる本」として紹介した。

 優勝したのは、堺市から参加した竹越直子さん。本が大好きで図書館をよく利用する竹越さんが選んだ本は「一瞬の風になれ」。1週間前から練習をして本番に臨んだという。「著者の佐藤多佳子さんは、取材に時間をかけている作家さん」と分析し、「主人公が疾走するシーンが、運動の苦手だった私でも速く走っている感じがするくらい素晴らしい描写だった」と発表した。

 5分の発表時間が「長い」という人もいれば、1分以上も延長する人も。各自の発表が終わった後に設けられた3分間の質問タイムでは、矢継ぎ早に質問が飛び交った。矢裂さんは「読んで発表、ということが自然にできるのが、このビブリオバトルの一番の意義。今後も続け、広めていきたい」と語る。

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